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メトホルミンとフォシーガの併用で痩せる?効果のエビデンスと注意点を医師が解説

メトホルミンとフォシーガの併用で痩せる?効果のエビデンスと注意点を医師が解説

「メトホルミンとフォシーガを一緒に飲むと痩せる?」

この組み合わせは、2型糖尿病の治療で検討されることがあり、体重への作用を調べた研究もあります。ただし、糖尿病患者を対象にした結果を、そのまま糖尿病のない方のダイエット効果として扱うことはできません。

この記事では、2剤の作用の違いと研究結果を確認し、併用時に注意したい副作用、体調不良時の対応、費用の考え方を解説します。

この記事の結論

  • メトホルミンとフォシーガは、異なる仕組みで血糖値を下げる飲み薬です。作用が異なることだけで、誰にでも併用が適しているとはいえません。
  • 2型糖尿病の成人を対象に、メトホルミンとSGLT2阻害薬の併用による体重変化が研究されています。対象者・期間・比較相手を確認して結果を読み取りましょう。
  • 減量目的の使用は適応外の自由診療です。処方の必要性を確認するとともに、脱水や重大な副作用、体調不良時に薬を休む方法も理解しておくことが大切です。

メトホルミンとは?

メトホルミンは、2型糖尿病の治療に使われる飲み薬です。肝臓で糖がつくられるのを抑え、筋肉などで糖が利用されやすくなるように働きます。
体重への作用も研究されていますが、血糖値を下げる仕組みから、そのまま「基礎代謝が上がる」「脂肪が燃えやすい体質になる」とは説明できません。

減量目的で使用する場合は、承認された効能・効果とは異なる適応外使用になります。
250mg錠・500mg錠などの製剤がありますが、1回に飲む量や服用回数は、製品と処方内容を確認してください。

メトホルミンの作用

  • 肝臓での糖の新生(糖の作り出し)を抑える
  • 筋肉などでのインスリン感受性を高める
  • 血糖を安定させながらインスリンの効きを良くする

フォシーガとは?

フォシーガの有効成分はダパグリフロジンで、SGLT2阻害薬というグループに含まれます。腎臓での糖の再吸収を抑え、尿への糖の排出を増やすことで血糖値を下げます。
心臓や腎臓の病気への使用は、それぞれの治療条件に基づくものです。健康な方のむくみ取りや、一般的な健康増進のために使う薬という意味ではありません。
5mg錠・10mg錠があり、使用目的や健康状態に応じて医師が用量を決めます。

フォシーガの作用

  • 腎臓での糖の再吸収を抑え、尿への糖の排出を増やします。
  • 血糖値を下げる作用は、腎機能などの影響を受けます。
  • 糖尿病に加え、条件を満たす慢性心不全・慢性腎臓病の治療にも承認されています。

メトホルミンとフォシーガの併用で分かっていること

2型糖尿病の治療では、血糖値や健康状態に応じて、メトホルミンとフォシーガの併用が検討されます。
2剤は異なる仕組みで血糖値を下げます。ただし、作用が異なることだけで、誰にでも併用が適しているとは判断できません。

項目

メトホルミン

フォシーガ

主な作用

肝臓での糖の産生を抑え、インスリンの働きを改善する

腎臓での糖の再吸収を抑え、尿への糖の排出を増やす

主に作用する部位

肝臓・筋肉など

腎臓

服用方法の例

メトグルコの成人の2型糖尿病への承認用法では、1日量を2〜3回に分け、食直前または食後に服用

国内の承認用法では1日1回服用

出典:メトホルミンは※1、フォシーガは※2。

表は作用と承認された服用方法の違いを整理したものです。減量目的の用量や服用方法を指定するものではなく、実際の処方内容に従ってください。

併用による体重変化は、臨床試験でも調べられています

2019年に公表されたMilderらのメタ解析では、糖尿病の薬物治療を受けていない2型糖尿病の成人を対象とした、4つの無作為化比較試験がまとめられています。

24〜26週間の体重変化について、メトホルミンとSGLT2阻害薬の併用群は、メトホルミン単剤群に比べて平均2.00kg多く減少していました。※3

この解析には、ダパグリフロジンだけでなく、ほかのSGLT2阻害薬も含まれます。「メトホルミンとフォシーガだけ」の効果をまとめた数値ではありません。

また、2.00kgは比較した群の間の差であり、服用した人が全員2kg痩せるという意味ではありません。糖尿病のない方の減量効果や、個人の結果を保証する数値でもありません。

併用を考える前に確認したいこと

食欲や食事内容は診察で伝えたい情報ですが、「糖質を多く食べる」「あと数kg落としたい」という理由だけで、この併用が適しているとは判断できません。

状況

相談で確認すること

体重が気になる

BMIや体重の推移、食事・運動の状況から、減量や薬による治療が必要かを確認する

健診で血糖値を指摘された

自己判断で減量薬を選ばず、糖尿病などの診断・治療が必要かを確認する

すでに糖尿病の治療を受けている

現在の処方と重複しないか、薬の追加が必要かを、かかりつけ医に相談する

持病やほかの薬がある

腎臓・肝臓・心臓の病気、飲酒、利尿薬などの使用を伝える

妊娠・授乳に関係する状況がある

妊娠中・妊娠の可能性がある方には、どちらも使用できない。妊娠を希望する方や授乳中の方も、事前に相談する

薬の使用条件と注意事項は※1・2・4・5を参照。食習慣だけで薬を振り分ける表ではありません。

適応外使用に関する重要事項
  • 国内の承認状況
    メトホルミンとフォシーガは、2型糖尿病などの治療薬として国内承認されていますが、減量目的での使用は承認された効能・効果に含まれません。減量だけを目的とする処方は、保険適用外の自由診療です。
  • 研究結果の読み方
    糖尿病患者を対象に体重変化が研究されていることと、健康な方の美容・減量目的での有効性や安全性が確認されていることは、同じではありません。
  • 処方について
    BMIだけでなく、血糖値、腎機能、持病、使用中の薬、利益とリスクを踏まえて医師が判断します。診察の結果、薬を処方しない場合もあります。
  • 医薬品副作用被害救済制度
    適応外使用による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。※8

メトホルミンとフォシーガ併用時の注意点

併用時は、特に脱水に注意が必要です。メトホルミンの電子添文でも、SGLT2阻害薬との併用時には脱水に注意するよう記載されています。脱水は、メトホルミンによる乳酸アシドーシスのリスクにも関わります。
薬を使う前に、起こり得る副作用だけでなく、「どのようなときに薬を休むか」「いつ受診するか」も確認しておきましょう。

主な副作用と、受診・休薬の目安

副作用まとめ

出典:薬の副作用・検査時の対応は※1・2・6・7、シックデイや適正使用の注意は※4・5。

乳酸アシドーシスとケトアシドーシスは別の状態ですが、症状が重なることがあります。自分で区別しようとして受診を遅らせないでください。
心臓や腎臓の病気で水分量の指示を受けている方は、その指示に従います。また、極端な糖質制限や食事抜きは避け、飲酒量も医師に伝えてください。過度の飲酒はメトホルミン使用中の乳酸アシドーシスのリスクを高めます。

検査と体調の確認を続ける

治療を始める前だけでなく、服用中も血糖値や腎機能・肝機能などを確認します。体重が減ったかどうかだけで、薬が適しているとは判断できません。

オンライン診療を利用する場合も、必要な検査をどこで受けるか、結果をどう共有するかを確認しましょう。検査や対面での診察が必要になる場合があります。

体調不良時の連絡先と休薬方法を確認し、薬の追加・増量・再開を自己判断で行わないようにしてください。

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監修医

診察では、期待する体重変化だけでなく、腎機能や飲み合わせ、食事・飲酒の状況も確認します。体調を崩したときに休薬できることも大切です。薬を使う必要性から、無理のない治療方針を一緒に考えていきましょう。

費用は薬代・診察料・送料を合わせて確認

減量目的で使用する場合は、保険適用外の自由診療です。費用は薬の用量や錠数、処方日数、購入プランによって変わります。

単剤と併用を比較するときは、同じ期間に必要な薬代を確認しましょう。「月額」だけでなく、実際に受け取る数量と支払い総額を見ることが大切です。

確認項目

比較するときのポイント

薬代

薬剤名・用量・総錠数・対象日数を確認し、2剤の合計を出す

診察・検査の費用

初診・再診の料金と、必要な検査の費用を確認する

送料

1回の送料と配送回数、まとめて配送できるかを確認する

定期購入・クーポン

初回価格だけでなく、2回目以降の金額、支払い総額、解約条件を確認する

Mimipoの診察料は0円ですが、薬が処方される場合は薬代・配送料が別途かかります。薬の種類や購入条件も含めて、申込み時の総額をご確認ください。※9

Mimipoオンラインクリニックのご案内

Mimipoでは、メトホルミンやフォシーガなどを用いた診療について案内しています。薬を決めてからではなく、治療方法を比較する段階から相談できます。
診察では健康状態や使用中の薬を確認し、薬を使う必要性と処方の可否を医師が判断します。併用を希望する場合も、検査の必要性や副作用、費用を含めてご相談ください。

まとめ

  • メトホルミンとフォシーガは、異なる仕組みで血糖値を下げる飲み薬です。
  • 併用による体重変化の研究はありますが、糖尿病患者を対象にした結果を、そのまま糖尿病のない方の減量効果として扱うことはできません。
  • 減量目的の使用は適応外の自由診療です。薬を使う必要性から、医師と確認します。
  • 併用時は脱水に注意し、乳酸アシドーシスやケトアシドーシスの症状、体調不良時の休薬方法を理解しておきましょう。
  • 費用は薬代だけでなく、診察・検査・送料なども含めて確認します。

体重の数字だけで判断せず、食事や運動、検査結果、体調も含めて治療方針を考えることが大切です。気になる点や費用の希望も、診察時にお伝えください。

FAQ

A

本文で紹介した研究では、2型糖尿病の成人で体重変化が検討されています。ただし、SGLT2阻害薬をまとめた解析であり、糖尿病のない方がメトホルミンとフォシーガを飲んだ場合の減量幅を示すものではありません。

「何kg痩せる」と一律にはいえないため、研究の対象者や期間を確認し、治療の必要性から相談してください。

A

減量目的での使用は適応外であり、希望すれば必ず処方されるわけではありません。BMI、血糖値、腎機能、持病、使用中の薬などを確認して医師が判断します。

健診で高血糖を指摘された方は、まず糖尿病などの診断・治療が必要かを確認しましょう。

A

食欲が気になるか、糖質を多く食べるかだけで、適した薬は決まりません。治療目的、健康状態、使い方、副作用、費用をあわせて検討します。

今の薬で思うような変化がない場合も、自己判断で追加・変更せず、処方医に相談してください。

A

メトホルミン使用中の過度の飲酒は、乳酸アシドーシスのリスクを高めます。飲酒量が多い方は使用できない場合があるため、飲む量と頻度を必ず伝えてください。

「飲酒する日だけ自己判断で薬を休めばよい」とは考えず、治療前に飲酒について相談しましょう。

A

製品と処方内容によって異なります。例えば、メトグルコの成人の2型糖尿病への承認用法では、1日量を2〜3回に分け、食直前または食後に服用します。フォシーガは1日1回です。

実際に飲む量や時間は、処方された指示に従ってください。飲み忘れても、自己判断で2回分をまとめて飲まないようにしましょう。

A

中止後の体重変化は、食事や活動量などにも左右され、一律にはいえません。中止する時期と、その後の体重・体調の確認方法を処方医と相談してください。

糖尿病や心臓・腎臓の病気の治療として使用している方は、体重だけを理由に自己判断で中止しないでください。

参考文献・出典

※1 PMDA掲載「メトグルコ錠250mg/メトグルコ錠500mg」電子添文

2023年11月改訂(第5版)。

参照箇所:2「禁忌」、4「効能又は効果」、6「用法及び用量」、8「重要な基本的注意」、9「特定の背景を有する患者に関する注意」、10「相互作用」、11「副作用」、18「薬効薬理」。

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/bookSearch/01/04987116562003

※2 PMDA掲載「フォシーガ錠5mg/フォシーガ錠10mg」電子添文

2025年4月改訂(第7版)。

参照箇所:4「効能又は効果」、5「効能又は効果に関連する注意」、6「用法及び用量」、8「重要な基本的注意」、9「特定の背景を有する患者に関する注意」、10「相互作用」、11「副作用」、18「薬効薬理」。

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/670227_3969019F1027_2_17

※3 Milder TY, et al.

Combination Therapy with an SGLT2 Inhibitor as Initial Treatment for Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-Analysis.

J Clin Med. 2019;8(1):45.

参照箇所:対象となる試験、24〜26週間の体重変化の解析、Table 1・3。

本記事では、メトホルミン単剤との体重変化の群間差と、試験条件・安全性の結果を参照。

https://doi.org/10.3390/jcm8010045

※4 日本糖尿病学会「メトホルミンの適正使用に関するRecommendation」

2020年3月18日改訂。

参照箇所:腎機能の確認、脱水、飲酒、シックデイ、乳酸アシドーシスへの注意。

https://www.jds.or.jp/uploads/files/recommendation/metformin.pdf

※5 日本糖尿病学会「糖尿病治療におけるSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」

2022年7月26日改訂。

参照箇所:低血糖、脱水、シックデイ、ケトアシドーシス、尿路感染・性器感染への注意。

https://www.jds.or.jp/uploads/files/recommendation/SGLT2.pdf

※6 PMDA「メトグルコ錠250mg/メトグルコ錠500mg」患者向医薬品ガイド

2022年10月更新。

参照箇所:使用前の確認事項、服用方法、副作用の自覚症状、体調不良時の対応、ヨード造影剤を使う検査。

https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/400093_3962002F2027_1_00G.pdf

※7 PMDA「フォシーガ錠5mg/フォシーガ錠10mg」患者向医薬品ガイド

参照箇所:服用方法、使用中の注意、副作用の自覚症状。

https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/670227_3969019F1027_2_00G.pdf

※8 PMDA「Q2『適正な使用』とは、具体的にどのような使用をいうのですか。」

参照箇所:医薬品副作用被害救済制度における「適正な使用」の判断。

https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0034.html

※9 Mimipo公式「メディカルダイエット・肥満症」

参照箇所:薬剤・プランの案内、診察料、オンライン診療の流れ、配送・支払方法。

医学的説明の根拠ではなく、診療案内・費用表示の確認に使用。

https://mimipo.jp/diet/

閲覧日:2026年10月6日

塩之入 温

目白ホワイトクリニック
塩之入 温 医師
内科(総合内科)

クリニックについて

美容医療、内科、産婦人科、歯科を展開する目白のクリニック。オンライン診療も行っており、年間数万人の患者を診察している。

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