
「マンジャロでせっかく痩せても、やめたら戻るんでしょ?」
——この疑問には、正直に答える必要があります。
マンジャロをやめた後は、体重が再び増えることがあります。食事や運動への取り組みを続けていても再増加する場合があり、生活習慣だけで防げるとは限りません。
一方で、すべての方に同じ治療期間や中止方法が当てはまるわけではありません。この記事では、体重が戻る理由と、継続・中止を医師と相談するときのポイントを解説します。
この記事の結論
- マンジャロの成分であるチルゼパチドを中止した後は、体重が再増加することがあります。生活習慣への取り組みを続けることは大切ですが、それだけで維持できるとは限りません。
- 中止後の体重変化には、食欲の変化や減量に伴う体の反応、食事・活動量などが関係します。再増加を本人の努力不足と決めつけないことが大切です。
- 継続・用量調整・中止は、治療目的や体調を踏まえて医師と判断します。「必ず段階的に減らして中止する」という共通の手順があるわけではありません。
「やめたら戻る」は本当?【データで確認】
SURMOUNT-4試験では、糖尿病のない肥満または体重関連の合併症を伴う過体重の成人を対象に、チルゼパチドを36週間使用した後、継続する群とプラセボへ切り替える群を比較しました。
その後の52週間で、中止群は体重が平均14.0%増加し、継続群は平均5.5%減少しました。
いずれも36週時点の体重を基準とする変化です。
この試験では、中止後も食事・運動の指導が続けられていました。そのため、「対策をしなかったから戻った」とは説明できません。
なお、試験では10mgまたは15mgを使用しており、この数値が少量使用の方や、標準体重の方にもそのまま当てはまるわけではありません。また、急に中止する方法と段階的に減薬する方法を比較した試験ではありません。
参照:資料1
なぜ戻るのか|リバウンドの3つの仕組み

マンジャロをやめたあとに体重が戻りやすいのは、単に意志が弱いからではなく、食欲や生活習慣、筋肉量など複数の要因が関係しています。
- 薬による食欲への作用が弱まる
中止後は、薬で抑えられていた空腹感や食べたい気持ちが強くなることがあります。 - 食事量・活動量が変わる
食欲の変化に伴って食事量が増えたり、活動量とのバランスが変わったりすると、体重の再増加につながります。ただし、生活習慣が整っていても再増加する場合があります。 - 減量に伴って体の状態が変わる
減量後は消費するエネルギーが減り、食欲が強まるなど、体重を戻す方向への反応が起こります。また、減量中には筋肉などの除脂肪量が減る場合もあります。筋肉量だけでなく、こうした複数の変化が関係しています。
中止後の体重管理に向けた5つの準備【使用中にやること】

中止後の体重管理に向けて、使用中から無理なく続けられる食事・運動・記録の習慣を整えましょう。ただし、準備をすれば必ずリバウンドを防げるというわけではありません。
①食べ方の「型」を作る
食事量だけを減らすのではなく、たんぱく質や野菜など、必要な栄養を取りながら続けられる食べ方を整えましょう。食欲が少ない場合も、極端な食事制限にならないよう注意が必要です。
② たんぱく質と筋トレ
適切なたんぱく質の摂取と、体調に合った筋力トレーニングは、減量中の筋肉量の維持に役立ちます。ただし、これだけで代謝の変化やリバウンドを防げるわけではありません。持病や食事制限がある場合は、医師に相談してください。
③ 体重・食事の記録を習慣化
体重を定期的に確認し、食事や食欲の変化も簡単に記録しておくと、中止前後の変化を把握しやすくなります。負担の少ない方法を選び、増加傾向が続く場合は医師に共有しましょう。
④ 体重と体調の経過を確認する
目標体重に達した後も、体重だけでなく食欲、栄養状態、体調を確認し、治療を続ける必要があるかを見直します。「数ヶ月安定すればやめられる」という共通の基準はないため、判断する時期は医師と相談しましょう。
⑤ 用量調整や中止を医師と相談する
チルゼパチドでは、減量後に用量を下げて治療を続ける方法も研究されています。ただし、「段階的に減らして中止すればリバウンドを防げる」と示した研究ではありません。
マンジャロは週1回注射する薬です。自己判断で投与間隔を延ばしたり、用量を変えたりせず、継続・調整・中止を医師と相談してください。
中止を考えたときの確認ステップ
中止を考えたときは、薬をやめることだけを目標にせず、現在の健康状態と、中止後の確認方法を医師と相談しましょう。副作用などによっては、減薬期間を設けずに中止が必要な場合もあります。
- STEP 1
治療目的と現在の状態を確認
体重の変化に加え、持病、食事の状況、副作用の有無などを確認します。 - STEP 2
継続・調整・中止を相談
現在の治療を続ける必要があるか、用量調整や中止が適切かを医師と検討します。 - STEP 3
変更後の確認方法を決める
体重・食欲・体調をどう確認するか、次の受診時期や相談が必要な症状を確認します。 - STEP 4
必要なフォローを続ける
中止後も食事・運動への取り組みを続け、体重の増加や体調の変化があれば早めに相談します。

治療期間は、目標体重だけでなく、健康状態や治療への反応、副作用などを踏まえて判断します。生活習慣が整っていても、中止後に体重が再び増えることはあります。無理に中止を目指すのでも、必要性を確認せず続けるのでもなく、その時点で適切な方針を一緒に考えましょう。
継続・中止を医師と相談する目安

継続や治療内容を見直したいとき
中止や用量調整を相談したいとき
これらは、自己判断で継続・中止を決めるためのチェックリストではありません。特に糖尿病の治療で使用している方は、体重だけでなく血糖管理も踏まえた判断が必要です。
なお、強い腹痛が続く場合は、投与を中止して速やかに医療機関を受診してください。嘔吐や下痢で水分が取れない場合も、脱水のおそれがあるため早めの受診が必要です。
参照:資料3
戻ってしまったら?再開の判断

体重が再び増え始めた場合は、自己判断で薬を再開せず、早めに医師へ相談しましょう。
再開の必要性や用量は、治療歴や体調などを踏まえて判断されます。
また治療目的や健康状態によって、医師が別の治療法を検討する場合があります。
- 国内の承認状況
マンジャロは、2型糖尿病の治療薬として国内承認されています。減量や体重維持のみを目的とする使用は、承認された効能・効果に含まれず、適応外の自由診療です。 - 国内の同成分の肥満症治療薬
同じ成分のチルゼパチドを含むゼップバウンドは、日本でも一定の条件を満たす肥満症を対象に承認されています。同じ成分でも、マンジャロの減量目的での使用が承認されているという意味ではありません。 - 処方の判断
希望する体重だけでなく、BMI、持病、使用中の薬、治療による利益とリスクなどを確認し、医師が処方の適否を判断します。 - 主な副作用・注意点
吐き気、嘔吐、下痢、便秘などがみられることがあります。低血糖、急性膵炎、脱水などにも注意が必要です。特にインスリンや一部の糖尿病治療薬を併用している場合は、低血糖に注意してください。 - 妊娠に関する注意
妊娠中または妊娠の可能性がある方は使用できません。妊娠する可能性のある方は、使用中および最終投与後1ヶ月間の避妊が必要です。妊娠を希望する場合は、あらかじめ医師に相談してください。 - 医薬品副作用被害救済制度
適応外使用による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。
Mimipoで使用中から中止後まで相談する
Mimipoのオンライン診療では、マンジャロ使用中の体重や体調の変化、継続・中止に関する相談を受け付けています。
症状や治療歴を確認し、治療を続ける必要があるか、用量調整や中止を検討するかを医師が判断します。中止後に体重が戻り始めた場合も、自己判断で再開せずご相談ください。
- STEP1
LINEで友だち追加(30秒)
- STEP2
問診に回答(約3分・目標体重と「いつまでに」を記入)
- STEP3
医師のオンライン診察
症状や治療歴を確認し、薬の使用や継続・中止について相談します。 - STEP4
最短当日発送
まとめ
・マンジャロの中止後は、体重が再び増えることがあります。食事・運動への取り組みを続けていても、再増加する場合があります。
・中止後の体重変化には、食欲や消費エネルギーの変化、食事・活動量など、複数の要因が関係します。
・使用中から、必要な栄養を取れる食事、体調に合った運動、体重の記録を無理なく続けることが大切です。
・「維持期→減薬期→中止」が全員に当てはまるわけではありません。継続・用量調整・中止は、治療目的と安全性を踏まえて医師と判断します。
・体重の増加傾向が続く場合や、食欲の変化に困っている場合は、自己判断で再開せず早めに相談しましょう。
治療の目標は、必ず薬をやめることでも、使い続けることでもありません。健康状態に合った方法で体重を管理するために、使用中も中止後も、必要に応じて治療方針を見直しましょう。
よくある質問
中止前の体重や減量幅、使用量、健康状態などによって異なり、一律に「何kg戻る」とは言えません。臨床試験の結果は本文で紹介していますが、個人の体重変化を予測する数値ではありません。中止後も体重を確認し、増加傾向が続く場合は医師に相談してください。
すべての方が一生使用するわけではありませんが、食習慣が整えば必ず中止できるとも言えません。肥満症などでは長期的な治療が必要な場合もあるため、効果や副作用、健康状態を踏まえて継続・中止を相談します。
中止後に食欲が強くなることはあり、それだけで失敗とは言えません。食事を極端に減らして我慢するのではなく、食欲や体重の変化を医師に共有し、対応を相談してください。
リベルサスへの切り替えが、マンジャロ中止後のリバウンド予防の標準的な方法として確立しているわけではありません。
リベルサスの国内承認は2型糖尿病で、減量・体重維持目的の使用は適応外です。費用や注射の負担だけで決めず、治療目的と健康状態に応じて、変更が適切かを医師に相談してください。
運動や適切な栄養摂取は体重管理に役立ちますが、それだけで必ず維持できるとは限りません。食事・運動を続けていても体重が戻る場合は、努力不足と考えず、治療方針について相談しましょう。
再開できるかは、中止した理由や中止期間、以前の用量、副作用の有無などによって異なります。期間が空いた場合、以前と同じ用量で再開してよいとは限りません。残っている薬を自己判断で使わず、診察で確認してください。

中止後に体重が戻っても、努力不足と決めつける必要はありません。食欲や体重の変化を早めに共有し、食事・運動の見直しや、治療を再検討する必要があるかを相談しましょう。薬を使っている間だけでなく、中止した後の変化にも目を向けることが大切です。
主な出典
[資料1]SURMOUNT-4
Aronne LJ, et al.
Continued Treatment With Tirzepatide for Maintenance of Weight Reduction in Adults With Obesity.
JAMA. 2024;331(1):38–48.
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2812936
[資料2]SURMOUNT-MAINTAIN
Horn DB, et al.
Tirzepatide for maintenance of bodyweight reduction in people with obesity in the USA(SURMOUNT-MAINTAIN).
Lancet. 2026;407:2305–2318.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42119587/
[資料3]PMDA:マンジャロ電子添文
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/530471_2499422G1024_1_10
[資料4]PMDA:ゼップバウンド電子添文
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/530471_2499422G7022_1_05
[資料5]PMDA:リベルサス電子添文
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/620023_2499014F1021_1_07
[資料6]The Obesity Societyほか4学会:
Nutritional Priorities to Support GLP-1 Therapy for Obesity(2025)
https://www.obesity.org/nutritional-priorities-to-support-glp-1-therapy-for-obesity/
[資料7]NICE:
Prescribing, reviewing and stopping tirzepatide
https://www.nice.org.uk/guidance/ta1026/resources/a-guide-for-prescribing-medicines-to-manage-overweight-and-obesity-15299628589/chapter/Prescribing-reviewing-and-stopping-tirzepatide
[資料8]厚生労働省:
GLP-1受容体作動薬等に関する2026年6月16日付通知
https://www.mhlw.go.jp/content/001720946.pdf
[資料9]NIDDK:
Weight loss leads to strong increase in appetite(2017)
https://www.niddk.nih.gov/news/archive/2017/weight-loss-leads-strong-increase-appetite-bodys-internal-feedback-control-calories
[資料10]PMDA:医薬品副作用被害救済制度
https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0034.html
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目白ホワイトクリニック
塩之入 温 医師
内科(総合内科)
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