
「何をしてもニキビが繰り返す」「皮膚科の薬でも良くならない」—そんな重症・難治性ニキビの治療選択肢として知られるのが、内服薬のイソトレチノインです。
この記事の結論
- イソトレチノインは、皮脂分泌を強力に抑える内服薬で、欧米では重症ニキビの標準的な治療薬として使用されています。日本では未承認の医薬品であるため、医師による診察を伴う自由診療で処方されています。
- 累積投与量は治療期間を考える際の指標の一つです。120〜150mg/kgが一つの目安として用いられることもありますが、実際の用量や治療期間は、症状・副作用・治療への反応・再発リスクなどを踏まえて医師が判断します。
- 費用は、月3,500円〜13,000円程度が一般的な目安ですが、用量やクリニックによって異なります。オンライン診療に対応しているクリニックであれば、通院せずに診察から治療を開始することも可能です。

イソトレチノインの症例|治療経過(ビフォーアフター)
Mimipoでは、繰り返す重症ニキビに対してイソトレチノインによる治療を数多く行ってきました。実際の治療経過をご紹介します(画像は加工していません。効果・経過には個人差があります)。

・年代・性別:20代・男性
・治療内容:イソトレチノイン内服 20mg/日
・治療期間:約4ヶ月
・費用(自由診療・自費):57,200円
・主なリスク・副作用:皮膚・口唇の乾燥、肝機能/脂質値の変動、催奇形性(妊娠中は服用不可)等
・治療前/治療後の写真(加工なし・同一条件・本人同意取得済み)

・年代・性別:20代・女性
・治療内容:イソトレチノイン内服 20mg/日
・治療期間:約6ヶ月
・費用(自由診療・自費):総額 77,000円(初月0円/2〜6ヶ月目 各15,400円)
・主なリスク・副作用:皮膚・口唇の乾燥、肝機能/脂質値の変動、催奇形性(妊娠中は服用不可)等
・治療前/治療後の写真(加工なし・同一条件・本人同意取得済み)

・年代・性別:10代・男性
・治療内容:イソトレチノイン内服 20mg/日
・治療期間:約6ヶ月
・費用(自由診療・自費):77,000円
・主なリスク・副作用:皮膚・口唇の乾燥、肝機能/脂質値の変動、催奇形性(妊娠中は服用不可)等
・治療前/治療後の写真(加工なし・同一条件・本人同意取得済み)

・年代・性別:20代・女性
・治療内容:イソトレチノイン内服 20mg/日
・治療期間:約10ヶ月
・費用(自由診療・自費):143,000円
・主なリスク・副作用:皮膚・口唇の乾燥、肝機能/脂質値の変動、催奇形性(妊娠中は服用不可)等
・治療前/治療後の写真(加工なし・同一条件・本人同意取得済み)
・イソトレチノインは国内未承認の医薬品で、医師の診察のうえ自由診療で処方します(保険適用外)。
・掲載写真は治療の経過記録であり、効果を保証するものではありません。効果・副作用の程度には個人差があります。
・主な副作用:皮膚・口唇・目・鼻の乾燥(ほぼ全員)、肝機能・中性脂肪・コレステロールの変動、催奇形性(妊娠中・妊娠可能性のある方は服用不可)等。詳細は本文「副作用と対策」をご覧ください。
・写真は加工しておらず、ご本人の同意を得て掲載しています。
イソトレチノインとは?ニキビ治療での位置づけ

イソトレチノインは、ビタミンA誘導体(レチノイド)の内服薬です。皮脂分泌を抑える作用などにより、重症ニキビの治療に用いられています。※1
日本ではニキビ治療薬として承認されていない医薬品のため、処方は医師の診察を伴う自由診療(保険適用外)に限られます。
イソトレチノインは日本国内でニキビ治療薬として未承認です。入手経路:国内未承認医薬品のため、医師が個人輸入した医薬品を、診察のうえ処方しています。個人輸入された医薬品等の使用によるリスクについては、厚生労働省「個人輸入において注意すべき医薬品等について」もご確認ください。
国内承認薬:同一成分の国内承認薬はありません。ニキビには保険適用の治療(アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬など)があり、日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」ではこれら標準治療が推奨されています※4
海外の承認状況:米国FDAでは重症ニキビ治療薬として承認され、米国では安全管理プログラム(iPLEDGE)の下で使用されています。※2
なぜ「繰り返すニキビ」に効くのか
ニキビは「皮脂の過剰分泌 → 毛穴の詰まり → アクネ菌の増殖 → 炎症」で発生します。多くの塗り薬や抗菌薬が途中に働くのに対し、イソトレチノインは皮脂腺に作用し、皮脂分泌を抑えます。
- 皮脂腺を縮小させ皮脂分泌を大幅に減らす
- 毛穴の角化を正常化し詰まりにくくする
- 抗炎症作用で赤ニキビの炎症を鎮める
皮脂分泌などニキビの発症に関わる要因へ作用するため、標準治療で十分な改善が得られなかった重症ニキビにも用いられます。※1・※4

塩之入 温
臨床でイソトレチノインを検討するのは、抗菌薬や外用薬を数ヶ月続けても炎症性のニキビが繰り返す方や、ニキビ跡(クレーター)への進行を防ぎたい方です。効果が高い一方で管理の必要な薬なので、"誰にでも出す薬"ではなく、適応と避妊・血液検査の体制が整った方に、リスクを説明したうえでお勧めしています。
どんなニキビ・肌質に向いているか(適性チェック)
向いている可能性が高い
他の治療から検討すべき
皮脂と毛穴詰まりに働く性質上、毛穴の開き・黒ずみの改善が報告されることもあります。
効果と実感時期|治療期間・累積投与量の考え方
イソトレチノインは、体重1kgあたり累積120〜150mg/kgが一つの目安として用いられることもあります。(米国皮膚科学会〈AAD〉のニキビ診療ガイドライン等)。治療期間や累積投与量は、症状・副作用・再発リスクなどをみながら医師が調整します。※1
効果の現れ方には順序があります。
- 服用開始〜数週間:皮脂の減少を実感(乾燥として感じる)
- 1〜3ヶ月:新しいニキビができにくくなる(初期に一時的にニキビが悪化する場合があります)
- 3ヶ月以降:炎症が沈静化し肌が安定。
初期の一時的悪化は服用開始1〜2ヶ月に起こることがあります。
費用相場と保険適用|月いくらかかる?
イソトレチノインは保険適用外の自由診療となるため、クリニックごとに料金設定が異なります。
費用は「薬代」に加え、「診察料」や「血液検査費」が必要になる場合があり、総額は治療期間によって変わります。一般的な治療期間は4〜12ヶ月が目安です。

治療にかかる総額の目安
イソトレチノイン治療では、薬代だけでなく定期的な診察や血液検査が必要になることがあります。
そのため、治療費の総額は以下を目安に考えるとよいでしょう。
総額の目安 = 月額の薬代 × 治療期間(4〜12ヶ月) + 診察料 + 血液検査費
費用だけでクリニックを選ぶのではなく、診察体制や血液検査の有無、処方できる用量、サポート体制もあわせて比較することが大切です。特にイソトレチノインは副作用や服用上の注意点が多い薬のため、医師の管理のもとで継続できるクリニックを選ぶようにしましょう。
副作用と対策|頻度データで正しく理解する
効果が高い一方、副作用の管理が重要な薬です。頻度と対策を知れば、医師の管理下で安全性を保ちながら治療を進められます。
頻度 | 副作用 | 対策 |
|---|---|---|
非常に多い(ほぼ全員) | 唇・肌・目・鼻の乾燥 | リップ・保湿剤・目薬で対応。服用初日から保湿を習慣に |
時々 | 肝機能値・中性脂肪・コレステロール上昇 | 定期血液検査でモニタリング。数値により減量・休薬 |
時々 | 筋肉痛・関節痛、一時的な脱毛、光線過敏 | 激しい運動を控える・紫外線対策。多くは回復 |
稀だが重要 | 気分の落ち込み等の報告 | 因果関係は議論があるが、気分の変化を感じたら速やかに医師へ |
禁忌(妊娠関連) | 催奇形性(胎児への重大な影響) | 妊娠中・可能性のある方は服用不可(次章) |
※イソトレチノインの安全管理、妊娠中の使用リスクについて:※2。副作用の種類や検査上の注意事項については、処方製剤の添付情報も確認してください。

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乾燥は"出てから対処"ではなく、服用初日からワセリンやリップで先回りするとつらさが大きく変わります。乾燥で自己中断するのが一番もったいないので、対策を決めてから始めましょう。
服用できない方・注意が必要な方(禁忌・併用注意)
服用できない方(禁忌):妊娠中・妊娠の可能性がある方/イソトレチノインまたは製剤の成分にアレルギーがある方。
医師による慎重な判断が必要な方:授乳中の方/重度の肝機能障害がある方/高脂血症の方など。うつ病など精神疾患の既往がある方も、診察時に必ず医師へ申告してください。
併用に注意が必要なもの:テトラサイクリン系抗菌薬は頭蓋内圧亢進のリスクがあるため、併用を避ける必要があります。ビタミンAサプリは過剰症に注意が必要です。ピーリング・レーザー・脱毛、レチノール化粧品との併用についても医師にご相談ください。
※妊娠回避期間や献血制限については、処方される製剤や医師の指示に従ってください。

※Mimipoでは15歳未満の方への処方は行っていません
服用方法と治療期間|体重別の早見表
一般的に1日10〜20mgの低用量から開始し、効果と副作用のバランスを見て医師が調整します。ゴールは累積120〜150mg/kg。
体重 | 目標累積量(120mg/kg) | 1日10mg | 1日20mg |
|---|---|---|---|
40kg | 4,800mg | 約16ヶ月 | 約8ヶ月 |
50kg | 6,000mg | 約20ヶ月 | 約10ヶ月 |
60kg | 7,200mg | 約24ヶ月 | 約12ヶ月 |
70kg | 8,400mg | 約28ヶ月 | 約14ヶ月 |
※120mg/kgで算出した目安。実際の用量・期間は症状・副作用・血液検査により医師が判断します。
入手方法の比較|「通販・市販」は買えません
入手ルートは3つありますが、安全性はまったく同じではありません。
対面の皮膚科・美容皮膚科
- 医師の診察と院内での血液検査が受けられる
- 薬は正規ルート。通院の手間がかかる
オンライン診療
- ビデオ・チャットで医師の診察を受けられ、検査キットや提携機関で血液検査も管理できる
- 薬は正規ルート。クリニックによって診察料や薬代、検査費用などが異なります
個人輸入(通販)――推奨されません
- 医師の診察も血液検査の管理もありません
- 偽造薬・成分不明のリスクがあり、健康被害が起きても救済制度の対象外
イソトレチノインに市販薬はありません。「イソトレチノイン 通販」で見つかるのは海外からの個人輸入代行です。催奇形性という重大リスクを持つ薬を診察も血液検査もなく服用するのは危険で、偽造品・品質不良のリスクもあり、厚生労働省も医薬品の個人輸入に注意喚起しています。※3 健康被害が起きても救済制度の対象外です。
オンライン診療で始める流れ(Mimipoの場合)
- LINEで友だち追加(30秒)— 問診票が届く
- 問診に回答(約3分)— 肌の状態・既往歴・妊娠可能性など
- 医師のオンライン診察 — 適応・用量を判断。血液検査の案内もこの段階
- 最短当日発送 — 正規品を自宅へ。服用中の不安はLINEで相談

まとめ
イソトレチノインの要点を振り返ります。
⚪︎位置づけ:皮脂分泌を強力に抑える内服薬。日本では未承認のため、医師の診察を伴う自由診療(保険適用外)として処方されます
⚪︎効果の鍵:治療期間・累積投与量:累積120〜150mg/kgが一つの目安として用いられることがありますが、実際の用量や治療期間は症状・副作用・再発リスクなどをみながら医師が判断します。
見た目が良くなっても自己判断でやめない
⚪︎副作用:最も多いのは乾燥(ほぼ全員)で、服用初日からの保湿で対応できます。肝機能・脂質は定期的な血液検査で管理します
⚪︎服用できない方:妊娠中・妊娠の可能性がある方・授乳中の方は服用できません(催奇形性のため)
⚪︎入手方法:市販薬はなく、個人輸入は偽造薬・検査なしのリスクがあり推奨されません
効果の高さとリスクの両方を持つ薬だからこそ、医師の管理下で計画的に進めることが最も大切です。不安な点や自分に適しているかの判断は、自己判断せず診察でご相談ください。
よくある質問
主な副作用として唇や皮膚などの乾燥があり、肝機能や脂質値が変動することもあります。妊娠中は服用できません。副作用を確認するため、医師の診察や必要に応じた血液検査を受けながら治療を進めます。
Mimipoの料金は、10mg・12ヶ月一括購入の場合、初月0円、2ヶ月目以降4,000円〜で、診察料は無料です。適用条件や検査費用等を含む総額については料金ページをご確認ください。
妊娠中・可能性のある方・授乳中の方は服用できません。軽症の方や標準治療をまだ試していない方は、まず他の選択肢から検討します。
妊娠中・妊娠の可能性がある方や、イソトレチノインまたは製剤の成分に過敏症がある方は服用できません。また、テトラサイクリン系抗菌薬との併用は避ける必要があります。その他の既往歴や服用中の薬についても、診察時に必ず医師へお伝えください
累積投与量は120〜150mg/kgが一つの目安として用いられることもありますが、実際の用量や治療期間は、症状・副作用・治療への反応・再発リスクなどを踏まえて医師が判断します。
累積120〜150mg/kg到達まで一般に4〜12ヶ月以上(例:50kg・1日20mgで約10ヶ月)。
累積量に達して終了した場合、再発率は低下すると報告。自己判断の早期中断は再発リスクを上げます。
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主な出典
[1]National Institute for Health and Care Excellence(NICE)「Acne vulgaris: management – Recommendations」(最終更新 2026年8月)
[2]U.S. Food and Drug Administration(FDA)「Isotretinoin Capsule Information.」(最終更新2026年2月)
[3]厚生労働省「 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」(最終更新2025年5月)
[4]日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」(日皮会誌 133(3):407-450, 2023)2023年更新版

目白ホワイトクリニック
塩之入 温 医師
内科(総合内科)
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