
「頬のあたりに左右対称のシミがある」「シミ取りを考えているけれど、飲み薬でも治療できるの?」と気になっていませんか。
肝斑の内服治療では、トラネキサム酸が代表的な選択肢になります。臨床試験でも肝斑の改善が報告されていますが、シミには複数の種類があるため、まずは自分のシミが肝斑なのかを確認することが先です。
この記事では、肝斑・シミに使う内服薬の役割から、服用期間、レーザーとの違い、安全に治療を進めるための注意点までを整理します。
この記事の結論
- 肝斑の内服治療では、トラネキサム酸の有効性が研究されています。 ただし、医療用トランサミンなどを肝斑に使用する場合は、承認された効能の範囲外で使う「適応外使用」にあたります。
- 内服だけでなく、紫外線対策や刺激を抑えたケアを組み合わせます。 レーザーはシミの種類によって適否が異なり、肝斑では慎重な判断が必要です。
- 服用前には、血栓症の既往やピルの服用を必ず申告してください。 効果を確認する時期と、継続・休薬の判断も、処方時に確認しておきましょう。

そのシミは肝斑?まずは種類を見分ける

肝斑、老人性色素斑、そばかす、炎症後色素沈着は、いずれも「シミ」と呼ばれますが、特徴や治療の考え方が異なります。複数の種類が重なっていることもあるため、見た目だけで決めつけないようにしましょう。
シミの種類 | 主な特徴 | 治療の考え方 |
|---|---|---|
肝斑 | 頬骨の周辺や額などに、左右対称にぼんやりと広がる | 遮光と刺激を避けるケアを基本に、内服・外用を検討する |
老人性色素斑〈日光黒子〉 | 輪郭が比較的はっきりした茶色いシミ | 状態に応じてレーザーや光治療などを検討する |
そばかす〈雀卵斑〉 | 小さな茶色い斑点が散在し、子どものころからみられることがある | 紫外線対策を基本に、必要に応じて施術を検討する |
炎症後色素沈着 | ニキビや傷、かぶれなどのあとに茶色い色素が残る | 原因となる炎症への対応と、必要に応じた内服・外用、経過観察を行う |
※表は特徴を整理したもので、自己診断のための判定表ではありません。
肝斑には、紫外線や女性ホルモンとの関連が知られています。また、強いマッサージなどの刺激で悪化する場合もあるため、薬を使うだけでなく、日々の肌への触れ方も見直します。
肝斑・シミの内服薬|種類と役割

肝斑の内服治療を考える際は、肝斑そのものに使う薬と、ほかの肌悩みや成分の働きに着目して組み合わせる薬を分けて理解することがポイントです。
- トラネキサム酸
プラスミンという物質の働きを抑える薬です。肝斑の治療では、メラニン生成に関わる反応を抑える働きに着目して使用されます。内服による肝斑の改善を検討した臨床研究があります。 - シナール〈ビタミンC・パントテン酸カルシウム配合薬〉
メラニンの形成を抑え、すでにできたメラニンの還元を促す働きがあります。炎症後の色素沈着に対する効能が認められており、ニキビなどのあとに残る茶色い色素沈着も気になる場合に、使用目的を確認したい薬です。 - ユベラ〈ビタミンE〉
抗酸化作用や末梢の血流に関わる作用があります。ビタミンE欠乏症や末梢循環障害などに使われる薬で、これらの働きと、肝斑への治療効果は区別して考えます。 - L-システイン〈ハイチオールなど〉
皮膚の代謝に関わる成分です。医療用ハイチオールには湿疹やニキビなどの効能があり、ほかの肌症状も踏まえて使用を検討します。市販の配合薬とは、成分構成や承認された効能が異なります。
トラネキサム酸は、臨床試験でも改善が報告されている
中等度から重度の肝斑を対象とした比較試験では、日焼け止めを併用しながらトラネキサム酸を3か月間内服したグループで、プラセボのグループよりも肝斑の重症度スコアが改善しました。内服による治療効果を示す報告の一つです。
ただし、医療用トランサミンの承認された効能には肝斑は含まれていません。処方を受ける際は、適応外使用であること、期待する効果、リスクについて説明を受けてください。
どのくらい飲む?期間と休薬の考え方
効果の確認は、2〜3か月を一つの目安に
トラネキサム酸の肝斑治療では、8〜12週間程度の内服で評価した研究があり、2〜3か月は効果を確認する時期の目安になります。ただし、一定期間飲めば必ず改善するという意味ではありません。
診察では、服用開始前と比べてシミの濃さや範囲がどう変化したかを確認します。経過を記録する場合は、同じ場所・照明で写真を撮っておくと比較しやすくなります。
変化が乏しいときは、自分で量を増やすのではなく、シミの種類や処方内容、スキンケアを見直しましょう。
改善後の継続・休薬は、肌の状態に合わせて判断する
肝斑は、薬をやめたあとに再び目立つことがあります。臨床試験でも、内服終了後に改善の程度が小さくなった結果が報告されています。
「薄くなったらすぐに中止する」「予防のためにずっと飲み続ける」と一律に決めず、効果と体調を確認しながら継続・休薬を判断します。再び気になった場合も、以前の薬を自己判断で再開せず、処方元に確認しましょう。
レーザーとの使い分け|肝斑は強く照射すればよいわけではない
老人性色素斑ではレーザーや光治療が選択肢になりますが、肝斑では同じように考えることはできません。照射による刺激で色素沈着が起きたり、かえって目立ったりする場合があります。
美容医療診療指針では、肝斑に対するレーザーや光治療は、遮光・外用・内服などで十分な効果が得られない場合に、併用療法として検討する位置づけです。まずは紫外線対策やこすらないケアを整え、必要な薬物治療を行います。そのうえで、残っているシミに施術が適しているかを判断する流れです。
レーザーを検討している方も、先にシミの種類を確認し、肝斑とほかのシミが混在していないかを診てもらいましょう。
注意点|血栓リスクとピルの服用は必ず申告する

服用前に確認したい持病と飲み合わせ
トラネキサム酸には、血栓を溶けにくくする方向に働く作用があります。血栓症にかかったことがある方や、血栓症のリスクがある方、腎機能が低下している方などは、服用の可否を慎重に判断する必要があります。トロンビン製剤との併用は禁忌です。
低用量ピルなどの経口避妊薬を服用している方も、薬の名前を必ず伝えてください。市販のトラネキサム酸配合薬でも、経口避妊薬などの使用者には、血栓症のリスクを踏まえた事前相談が求められています。
妊娠中・妊娠の可能性がある方、授乳中の方は、その状況を申告してください。問診では、持病や服用中の薬に加え、喫煙習慣、長時間の移動や安静の予定なども伝えておきましょう。
また、ビタミンEを含む薬やサプリを使用する場合は、ワルファリンなどの抗凝固薬の服用も確認が必要です。
服用中に気をつけたい症状
トラネキサム酸では、吐き気、下痢、発疹などの副作用が報告されています。シナールやユベラでも胃腸の不調などが起こることがあるため、服用後の体調変化は処方元に伝えてください。
突然の息苦しさ、胸の痛み、片脚の痛み・腫れなどが現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
費用と市販薬との違い
費用は、薬代だけでなく総額を確認する
本記事で扱う美容目的の内服治療は、公的医療保険が適用されない自由診療として案内されています。料金を比較するときは、薬の種類や処方日数をそろえ、診察料・送料も含めて確認しましょう。
確認する項目 | 見ておきたい内容 |
|---|---|
薬代・処方内容 | 薬の種類、1錠の規格、処方日数、単剤か組み合わせか |
診察料 | 初診・再診で費用がかかるか |
配送料 | 1回の発送にかかる金額と発送頻度 |
購入条件 | 単月購入か定期便か、実際の支払い総額はいくらか |
Mimipoは、診察料無料で医師に相談できます。薬代は処方内容や購入条件によって異なるため、申し込み前に総額を確認しましょう。
市販にも、肝斑を対象とした内服薬がある
市販の「トランシーノEX」は、トラネキサム酸を配合した、しみのうち肝斑を対象とする医薬品です。市販薬だから肝斑には使えない、処方薬なら必ず効果が高い、という違いではありません。
処方を受ける利点は、シミの種類や健康状態を確認し、必要な薬の組み合わせや服用量を個別に検討できることです。
なお、トランシーノEXには、2か月を超えて続けて服用しないことや、ほかのトラネキサム酸を含む内服薬と併用しないことが定められています。処方薬と同じ感覚で飲み続けず、製品ごとの使用上の注意を守ってください。
Mimipoのオンライン診療で始める流れ
Mimipoでは、美容内服のオンラインで診療を行なっています。処方が決まった薬は配送で受け取れるため、通院時間を取りにくい方も、自宅から相談を始められます。
- 公式LINEを追加して診療を予約する
メニューからオンライン診療の予約画面に進み、希望日時を選びます。 - 問診に回答する
シミが気になり始めた時期や肌の悩み、持病、服用中の薬などを伝えます。ピルの服用も忘れずに申告してください。 - 医師のオンライン診察を受ける
本人確認書類を用意して受診します。内服薬を使う目的、処方内容、注意点、次に効果を確認する時期を聞いておきましょう。 - 処方内容を確認し、手続き後に薬を受け取る
診察後の案内に沿って手続きを進めます。

まとめ
肝斑の内服治療では、トラネキサム酸による改善が臨床研究で示されています。 シナールなどを組み合わせる場合も、それぞれの薬の役割を踏まえて、肌の悩みに合った処方を検討します。
一方、肝斑は薬だけで対応するのではなく、紫外線対策や刺激を避けるケアを続けることも欠かせません。レーザーが適しているかどうかは、シミの種類と、それまでの治療への反応を見て判断します。
始める前には、ピルやほかの薬の服用、持病、続けられる予算を伝えてください。自分のシミを正しく見分け、効果と体調を確認しながら治療を進めることが、納得して内服治療を続けるためのポイントです。
よくある質問
肝斑の研究では、8〜12週間程度で評価した報告があります。2〜3か月は一つの目安ですが、効果や必要な期間は人によって異なります。処方時に、再診と見直しの時期を確認してください。
内服終了後に再び目立つことがあります。薬をやめたあとも同じ状態が続くとは限らないため、継続・休薬と、その後のケアを合わせて考えます。
男性にも肝斑は生じます。内服治療を行うかどうかは、性別だけでなく、診断、健康状態、血栓症のリスクなどを踏まえて判断します。
肝斑では、まず遮光や外用・内服などの治療を検討し、十分な効果が得られない場合にレーザーなどを組み合わせる考え方があります。すべてのシミに同じ順序が当てはまるわけではありません。
左右対称にぼんやり広がることは手がかりですが、それだけでは判断できません。ほかのシミが重なっている場合もあるため、治療を選ぶ前に診察を受けてください。
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主な出典
[1]PMDA「トランサミン錠250mg・500mg/カプセル250mg/散50%」電子添文
[2]PMDA「シナール配合錠/シナール配合顆粒 」電子添文 2023年3月改訂(第1版)
[3]PMDA「ユベラ錠50mg」電子添文
[4]PMDA「ハイチオール錠40・80/散32%」電子添文。独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
[5]Bala HR, et al.「 Oral Tranexamic Acid for the Treatment of Melasma: A Review」2018年(肝斑に対する経口トラネキサム酸治療の有効性と安全性を検討したレビュー論文)
[6]Del Rosario E, et al.「Randomized, placebo-controlled, double-blind study of oral tranexamic acid in the treatment of moderate-to-severe melasma」2018年(中等度から重度の肝斑に対する経口トラネキサム酸の効果を検証したランダム化二重盲検プラセボ対照試験)
[7]日本皮膚科学会ほか「美容医療診療指針(令和元年度改訂版)」2020年(シミ・肝斑などに対する美容医療の診療指針)
[8]第一三共ヘルスケア「トランシーノEX」添付文書
[9]米国国立衛生研究所・栄養補助食品局(NIH ODS)「Vitamin E — Health Professional Fact Sheet」(ビタミンEの生理機能、摂取基準、食品供給源、安全性、医薬品との相互作用等)

目白ホワイトクリニック
塩之入 温 医師
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