
ニキビ跡には、赤み、色素沈着、クレーター状の凹み、しこり・ケロイドなどがあり、状態によって必要な対応は異なります。
この記事では、市販薬やスキンケア製品でケアするときの注意点と、医療機関に相談する目安を解説します。新たな跡を増やさないために、今あるニキビを治療することの大切さも確認しましょう。
この記事の結論
- 赤みや色素沈着が気になる場合は、紫外線対策や保湿を基本に、症状に合うケアを選びます。市販薬・医薬部外品・化粧品では、使える目的や期待できる働きが異なります。
- クレーター状の凹みやしこり・ケロイドは、市販品だけで改善しようとせず、医療機関で治療を相談しましょう。
- 現在もニキビができている場合は、残った跡へのケアだけでなく、ニキビそのものの治療も大切です。新たな跡を増やさないための対応を考えましょう。

ニキビ跡の定義と発生メカニズム
ニキビ跡とは、ニキビが治った後に残る皮膚の赤みや色素沈着、凹凸、クレーター状の痕のことを指します。
発生しやすくなる条件は以下が多く見受けられます。
- ニキビの炎症が深刻な場合
- 適切なケアを怠った場合
ニキビ跡をきれいに消すためには、まずその原因と種類を理解することが重要です。
ニキビ跡は大きく分けて4種類
赤み(炎症後紅斑)

ニキビの炎症が治まった後に残る赤みです。
炎症によって拡張した毛細血管が皮膚表面に見える状態で、軽度であれば時間とともに消えますが、重度の場合は治療が必要です。
色素沈着(炎症後色素沈着)

炎症が治まった後にメラニンが生成され、茶色や黒っぽいシミが残っている状態です。
通常は時間とともに薄くなりますが、紫外線の影響を受けると悪化することがあります。
凹凸(クレーター)

炎症が真皮まで及んだ結果、皮膚が凹んでしまう状態です。
自然治癒は難しく、美容皮膚科での治療が必要です。
しこり・ケロイド

炎症が深く、皮膚の再生が過剰に行われた結果、しこりやケロイドが形成されます。
特に体質的にケロイドができやすい人は注意が必要です。※3
そもそも何故ニキビ跡ができるのか
- 炎症
ニキビが炎症を起こすと、皮膚がダメージを受け、その修復過程で跡が残ることがあります。
炎症が長引くと皮膚の深部まで影響を及ぼし、クレーターやしこりの原因に。 - メラニン生成
炎症が長引くと、皮膚がメラニンを生成し、色素沈着が起こります。
これが茶色や黒っぽい色素沈着として残ります。紫外線の影響も受けやすいため、色素沈着の悪化の原因に。 - 物理的な刺激
ニキビを潰す・頻繁に触るの行為は、皮膚にさらにダメージを与え、跡が残る原因です。
さらに、感染のリスクも高まり、炎症の悪化にも繋がります。
【ニキビ跡別】市販薬・スキンケア成分を選ぶときの注意点
店頭や通販で購入できる製品には、市販薬のほか、医薬部外品や化粧品があります。成分名が同じでも、製品の区分や配合量、表示されている効能・用途は異なります。
以下では成分の特徴と注意点を紹介します。成分が配合されているだけで、すべての製品にニキビ跡の治療効果があるわけではありません。購入時には製品の表示を確認し、選び方に迷う場合は薬剤師や医師へ相談してください。※2
赤み(炎症後紅斑)
- ナイアシンアミド
→角層のセラミドなどに働きかけ、皮膚のバリア機能を支える成分※9
- アゼライン酸
→ニキビ後の赤みや色素沈着の改善が報告されている成分
※15%アゼライン酸ゲルを使用した研究に基づく説明です。すべての配合製品に同じ効果があることを示すものではありません。※8
アゼライン酸は有効成分として抗炎症や美白作用が期待されますが、刺激を感じやすい成分でもあります。高濃度から始めると刺激が強く出やすいので、低濃度から少量ずつ使用を開始してください。
色素沈着(炎症後色素沈着)
- ビタミンC誘導体配合クリーム
→ メラニン生成を抑え、色素沈着を改善※10 - ハイドロキノン
→メラニン生成を抑える働きがある(刺激に注意)。※6 - アゼライン酸
→ 色素沈着を改善
使用する時間帯や回数、ほかの製品との組み合わせは、製品の説明や医師の指示に従ってください。複数の成分を一度に増やさず、赤みや刺激が出る場合は使用を中止して相談しましょう。紫外線対策と保湿も続けてください。
凹凸(クレーター)
- レチノール(ビタミンA)
レチノールはスキンケアに用いられる成分ですが、クレーター状のニキビ跡そのものを市販品だけで改善することは難しいため、気になる場合は医療機関へ相談しましょう。※3・※5
しこり・ケロイド
しこり・ケロイドは、市販品だけで改善しようとせず、医療機関で種類や治療法を確認しましょう。外用薬、注射、施術などから、症状に合わせた治療を検討します。※3
ニキビ跡の赤みを消す日常ケア

- 紫外線対策
紫外線は色素沈着を悪化させます。
日焼け止めを使用し、外出時は帽子や日傘を活用しましょう。※4 - 正しい洗顔
優しく洗顔し、肌に負担をかけないようにしましょう。
洗顔料は低刺激のものを選び、過剰な皮脂を取り除かないよう注意しましょう。
- 保湿
肌に合う保湿剤で乾燥を防ぎ、皮膚のバリア機能を保つケアを行いましょう。セラミド配合の保湿剤も選択肢の一つです。ニキビ治療中の乾燥や刺激を軽減した報告がありますが、保湿だけでニキビ跡の赤みが改善するとは限りません。※11
- 健康的な生活習慣
バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動は、肌の健康を保つために重要です。
ビタミンCやビタミンEを含む食品を積極的に摂取しましょう。
- ストレス管理
ストレスはホルモンバランスを乱し、肌トラブルを悪化させる要因です。
リラックスできる時間を確保しましょう。
市販ケアの限界と受診の目安
セルフケアを続ける場合に確認したいこと
赤みや色素沈着が気になるときは、紫外線対策と保湿を続けながら、色の変化や刺激の有無を確認しましょう。製品を増やしたり使用回数を上げたりして、早く改善させようとしないことが大切です。
市販薬を使用している場合は、添付文書に記載された使用方法と、相談・受診の目安を守ってください。赤みやヒリつきなどの異常が出た場合は、無理に使用を続けないでください。
医療機関への相談を考えたい場合
ケアを続けても変化が分からない、色や赤みが強くなる、凹みやしこりがある場合は、皮膚科や美容皮膚科へ相談しましょう。※3 痛みや腫れがある、新しいニキビが増える場合も、跡のケアだけで対応しないことが大切です。
受診時には、いつから症状があるか、使っている市販薬や化粧品、使用期間を伝えてください。今ある跡の治療と、新たな跡を増やさないためのニキビ治療を分けて相談しましょう。
色素沈着の治療を相談する
色素沈着が気になる場合は、自分で製品を増やす前に、医療機関で治療の選択肢を確認する方法もあります。オンラインで相談する場合も、画面や写真での確認だけでは判断が難しいときは、対面での診察が必要です。
新たなニキビ跡を防ぐために|今あるニキビの治療

新たなニキビ跡を増やさないためには、今あるニキビの炎症を抑えることも大切です。標準的な治療で十分な改善が得られない重症ニキビでは、医師がイソトレチノインの使用を検討する場合があります。
イソトレチノインは、すでにできたクレーターを元に戻す薬ではありません。乾燥、肝機能・脂質値の変化などに注意が必要で、妊娠中や妊娠している可能性がある方は服用できません。
ニキビ治療と瘢痕予防の参照資料:※1・3。イソトレチノインの使用対象・注意事項:※7。
Mimipoでは、医師が肌の状態やこれまでの治療内容を確認し、イソトレチノインによる治療が適しているかを判断します。
国内未承認の輸入製剤を用いる自由診療で、医師の診察が必要です。治療を検討する際は、費用、検査の受け方、副作用が出た場合の相談方法について説明を受けてください。

まとめ
ニキビ跡には、赤み・色素沈着・クレーター状の凹み・しこりやケロイドなどがあり、必要な対応は異なります。市販品を選ぶ際は、成分名だけでなく、医薬品・医薬部外品・化粧品の区分と、製品に表示された効能・用途を確認することが大切です。 特定の成分が配合されているだけで、すべてのニキビ跡に同じ効果が期待できるわけではありません。
日々のケアでは、紫外線対策と保湿、肌への刺激を避けた洗顔を基本にしましょう。早く改善させようと複数の製品を重ねたり、使用回数を増やしたりせず、製品の説明に従って使用してください。赤みやヒリつきが出た場合は、無理に使い続けないことも重要です。
クレーター状の凹みやしこり・ケロイドは、市販品だけで改善しようとせず、医療機関で治療を相談しましょう。 赤みや色素沈着が続く場合、痛みや腫れがある場合も、皮膚科や美容皮膚科で状態を確認してもらうことが大切です。
現在もニキビができている方は、残った跡へのケアだけでなく、ニキビそのものの治療も考えましょう。今ある跡の改善と、新たな跡を増やさないための対応を分けて考え、自分の肌の状態に合ったケアと治療を選んでください。
よくある質問
ニキビ跡が目立たなくなるまでの期間は、種類や程度、治療内容によって異なります。
深い凹みやケロイドは市販薬だけでの改善が難しいものの、医療機関で治療を検討できます。凹みの形や盛り上がりの状態に応じて、レーザーや注射などの方法を選びます。気になる跡がある場合は、皮膚科や美容皮膚科で相談してください。
日焼け止めによる紫外線対策と、刺激を避けた洗顔・保湿を基本にしましょう。市販薬やスキンケア製品を使う場合は、成分名だけでなく、製品の区分と表示されている効能・用途を確認してください。
凹みやしこりがある、赤みや色素沈着が続く、新しいニキビが増える場合は、セルフケアだけで対応し続けず、医療機関で相談しましょう。
セルフケアにかかる費用は、使用する製品や使用量によって異なります。医療機関での費用も、治療内容や回数によって変わります。
相談時には、保険適用の有無、1回あたりの料金、想定される回数、診察料や薬代などの追加費用を確認しましょう。
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主な出典
[1]日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」2023年更新版
[2]日本皮膚科学会「皮膚科Q&A にきび Q13「テレビで宣伝している化粧品などと病院の薬の違いは?」」参照ページ
[3]American Academy of Dermatology(AAD)「Acne scars: Consultation and treatment」2023年12月8日更新
[4]American Academy of Dermatology(AAD)「How to fade dark spots in darker skin tones」2025年3月10日更新
[5]American Academy of Dermatology(AAD)「Retinoid or retinol?」2021年5月25日更新
[6]Bryant Ranch Prepack(DailyMed掲載)「HYDROQUINONE 4%—hydroquinone cream」2026年3月17日更新
[7]Neon Healthcare Ltd.「Roaccutane 20 mg soft capsules — Summary of Product Characteristics」2026年4月27日改訂版
[8]Shucheng H, et al.「Effects of 15% Azelaic Acid Gel in the Management of Post-Inflammatory Erythema and Post-Inflammatory Hyperpigmentation in Acne Vulgaris」2024年(炎症後紅斑・炎症後色素沈着に対する15%アゼライン酸ゲルの効果)
[9]Tanno O, Ota Y, Kitamura N, et al.「Nicotinamide increases biosynthesis of ceramides as well as other stratum corneum lipids to improve the epidermal permeability barrier」2000年(ナイアシンアミドによるセラミドなど角質層脂質の産生促進と皮膚バリア機能改善に関する研究)
[10]Kurokawa I, Watanabe M, Hayashibe K.「Effect of a Cosmetic Use with 2% Isostearyl-L-Ascorbic Acid Gel for Postinflammatory Hyperpigmentation and Postinflammatory Erythema in Acne Vulgaris」2020年(ニキビ後の炎症後色素沈着・炎症後紅斑に対する2%イソステアリルアスコルビン酸ゲルの効果)
[11]Draelos ZD, Baalbaki N, Colon G, et al.「Ceramide-Containing Adjunctive Skin Care for Skin Barrier Restoration During Acne Vulgaris Treatment」2023年(ニキビ治療中の皮膚バリア回復を目的としたセラミド配合スキンケアに関する研究)

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