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今回は重症ニキビの治療薬イソトレチノインについて解説していきます。
SNSの口コミを中心に「副作用が怖い薬」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが
きちんと医師の指導のもと使用すれば怖い薬ではありません。
しかし、日本ではまだ承認されていない薬のため、
海外からインターネット通販を利用して自己判断で購入している方もいると聞きます。
実際に当クリニックでも自己判断での服用をしていた患者様が、治療相談に来られることもございました。
こちらの解説で薬のメリット、デメリットについて理解が深まれば幸いです。
イソトレチノインとは?
重症ニキビの救世主

イソトレチノインは、ビタミンAから作られた飲み薬で、1982年にアメリカで承認された重症ニキビ治療薬です。
欧米では長年使われてきた信頼性のある薬で、「最後の切り札」と呼ばれることもあります。
イソトレチノインの効果4つ
- 皮脂分泌の抑制
- 毛穴の詰まりを解消
- アクネ菌の減少
- 抗炎症・免疫調節作用
皮脂分泌の抑制
イソトレチノインは皮脂腺を縮小させ、皮脂の分泌量を大幅に減らします。
皮脂の過剰分泌はニキビの原因の一つなので、これを抑えることでニキビの根本改善につながります。
毛穴の詰まりを解消
角質細胞の増殖を調整し、毛穴の詰まり(コメド)を防ぎます。
毛穴が詰まることでアクネ菌が繁殖しやすくなるため、詰まりを解消することで炎症性ニキビの発生を防ぎます。
アクネ菌の減少
毛穴環境を整えることで、ニキビの原因菌であるアクネ菌の数を減らします。
抗炎症・免疫調節作用
炎症を抑える作用や免疫反応の調整作用もあり、
赤ニキビや炎症ニキビの改善に効果的です。
ニキビの根本原因に働きかける薬なので、塗布薬のような一時的なケアではなく、ニキビができづらい肌に導きます。
- 日本では2025年2月時点で未承認のため、保険診療では処方できません。
ただし、当院では品質が確認された薬を海外から輸入し、自費で処方しています。
イソトレチノイン
個人輸入は違法?

違法性についての厚生労働省の見解
厚生労働省のHPでは、「承認を受けていない医薬品の発送は違法行為に該当する」と明確に言及されています。そのため、イソトレチノインを個人輸入や通販サイトを通じて購入する行為は、薬機法に抵触する可能性が非常に高いと考えられます。
「日本の医薬品医療機器等法に基づく承認や認証を受けていない医薬品や医療機器の広告、発送などを行うことは、違法行為です。」
【主な罰則例】
・無承認・無許可で医薬品を販売・授与した場合
→ 3年以下の懲役 または 300万円以下の罰金、またはその両方
・承認を受けていない医薬品を広告した場合
→ 2年以下の懲役 または 200万円以下の罰金、またはその両方
・法人が違反した場合
→ 上記の個人罰則に加えて、法人に対して最高1億円の罰金
・医師以外が処方に相当する行為をした場合
→ 医師法・薬機法違反として同様に罰則対象
- インターネット通販などによる個人輸入は、偽物や不純物が含まれているリスクがあり非常に危険です。
必ず医師の指導のもと使用することが重要です。SNSでも薬の譲渡を謳っているアカウントがありますが、違法行為です。
イソトレチノインの使用方法

Mimipoでは、患者さん一人ひとりの 症状や体格に合わせて服用量を調整 しています。
治療開始時の平均的な服用量は20mg(1日1錠)です。
イソトレチノインは 脂肪分と一緒に摂取すると吸収率が高まる ため、
効果をしっかり出すためには「ある程度脂っこい食事のあと」に飲むのがおすすめです。
Mimipoでの比較的食事量の多い、夕飯後の服用を推奨しています。
服用タイミングを固定することで、飲み忘れの防止にもつながります。
治療は通常、体重に応じて極量(累積投与量・最大積算量)を計算し、
はじめに6ヶ月間 継続し、効果を見ながらお薬の服用量を増減させます。
お肌の状況を確認しつつ極量の服用を目指していただくことで、極量までの治療終了後には、ニキビができにくい肌質へと改善が期待できます。
休薬期間を2ヶ月を置いてしまうと極量(累積投与量・最大積算量)がリセットされてしまいまうため、できるだけ継続して治療をすることを推奨しております。
イソトレチノインの副作用とは?
イソトレチノインは重症ニキビに高い効果を発揮しますが、
その一方で 副作用が出やすい薬 でもあります。必ず理解しておきましょう。
よくある副作用
- 口唇炎・唇の乾燥(約90%の人に見られる)
- 鼻や皮膚の乾燥、かゆみ、日焼けしやすくなる(光過敏症)
Mimipoではイソトレチノイン治療における副作用軽減薬も合わせて処方が可能です。
治療開始時に合わせて服用することをおすすめしております。
注意が必要な副作用
- 妊娠への影響
胎児に奇形が生じるリスクがあるため、妊娠中・妊活中は絶対に使用できません - 精神面への影響:うつ症状や気分の落ち込み
- 筋肉・関節の症状:痛み、だるさ、筋力低下
- 神経系:頭痛、めまい、視覚のかすみ
- 消化器系:吐き気、下痢、胃の不調
- 肝機能への影響:肝酵素(AST/ALT)の上昇
- 血液検査で見られる変化:コレステロールや中性脂肪の上昇、CK(筋肉の酵素)の上昇
イソトレチノインを内服できない人
イソトレチノインは非常に効果的なニキビ治療薬ですが、安全に服用できない人もいます。
以下に当てはまる場合は、必ず医師に相談し、自己判断での使用は避けてください。
治療をお考えの方は自分が当てはまらないか、確認してみましょう。
特に注意が必要なケース
特に注意が必要なケースを確認
理由は、
妊娠中・授乳中の女性は、胎児に重大な奇形を起こすリスクがあるため、絶対に使用できません。
妊活中の方(男女とも)は催奇形性の影響があるため、妊娠を希望する期間の使用はNGです。
15歳以下の未成年の方は、成長期の骨や身長に影響を与える可能性があります。
そのほか使用できないケース
- 肝機能障害がある方
薬の代謝に負担がかかるため - うつ病などの精神疾患がある、または治療中の方
- ビタミンAにアレルギーがある方
- 大きな手術を予定している方
- 炎症性腸疾患
クローン病・潰瘍性大腸炎などを持つ方 - テトラサイクリン系抗生物質を内服中の方
併用で副作用が強まる可能性あり
イソトレチノインは
本当に怖い薬なの?

「イソトレチノイン=副作用が怖い薬」というイメージを持つ方も少なくありません。
確かに強力な効果を持つ薬なので、副作用がゼロではありません。
ですが、皮膚科専門医の管理のもとで正しく使えば、安全に治療できる薬です。
当院では半年に1回の血液検査を推奨しており、肝機能やコレステロール値などに異常がないかを細かくチェックします。副作用が見られた場合は、すぐに投与量を調整することで安全に治療を継続できます。
イソトレチノインは安全!

イソトレチノインは、自己流で使えば「怖い薬」になってしまいますが、
専門医の指導を受けながら正しく内服すれば、安全かつ効果的に重症ニキビを改善できる治療薬です。
SNSでも「イソトレチノイン服用で奇形児が生まれる」と
切り取った発信が多数見受けられますが、使い方を間違えなければ問題はございません。
- 「副作用が怖いからやめておこう」ではなく、信頼できるクリニックでしっかり相談することが大切です。
Mimipoで無料オンライン相談!
医療機関での治療と専門的サポート
自己判断せず、まずは医療機関での正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。
患者個別の症状や進行状況を考慮し、症状や体質に応じて、医師が選択・調整して処方します。

Mimipoでの治療なら
「副作用が出た!」
「この薬と一緒に飲んでいいの…?」
そんな疑問も公式LINEでしっかりサポートいたします。

目白ホワイトクリニック
三浦 直美 医師
皮膚科 / 産婦人科(産科/婦人科)
クリニックについて
美容医療、内科、産婦人科、歯科を展開する目白のクリニック。オンライン診療も行っており、年間数万人の患者を診察している。
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