
ニキビ治療に低用量ピルは効果的?

避妊や月経痛の緩和などで知られる低用量ピル。
実はホルモンバランスが原因と言われる大人ニキビ治療にも効果があるとして注目を集めています。
この記事では、ピルがニキビに効く理由や具体的な使用方法、よくある副作用、やめたあとの注意点まで詳しく解説します。
なぜ低用量ピルが
ニキビに効果的なの?

思春期を過ぎたニキビの多くは、「ホルモンバランスの乱れ」によるものです。
特に女性は、月経周期やストレス、生活習慣の影響で男性ホルモン(アンドロゲン)が優位になると、以下のような変化が起こることでニキビができやすくなります。
- 皮脂腺の活性化 → 過剰な皮脂分泌
- 毛穴が詰まりやすくなる
- 炎症性ニキビが悪化しやすい
低用量ピルの働き
低用量ピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の合成ホルモンを一定量体内に補充することで、以下のような効果をもたらします。
- 排卵を抑制し、ホルモンバランスを安定させる
- 皮脂分泌を抑え、ニキビができにくい肌環境に整える
これらの作用により、繰り返す大人ニキビの改善や予防が期待できるのです。
ニキビ治療に使われる主な低用量ピルの種類

以下は、日本で一般的に処方される代表的な低用量ピルと、その特徴です。
低用量ピルは、含まれる黄体ホルモン(プロゲスチン)の種類によって第1〜第4世代に分類されます。
世代の違いは、含まれるホルモンの種類やその作用の強さの違いによるものです。
世代が新しいからといって必ずしも「優れている」という意味ではなく、それぞれにメリット・デメリットがあるため、体質や目的に合わせて選ぶことが大切です。
世代 | 主なプロゲスチン成分 | 特徴・作用 | ニキビへの影響 | 血栓リスク | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1世代 | ノルエチステロン など | アンドロゲン(男性ホルモン)作用がやや強い | △(悪化することも) | 低め | 初期の低用量ピル。現在はあまり処方されない |
2世代 | レボノルゲストレル など | 排卵抑制効果が高く、安定した効果 | △〜×(ニキビ悪化例あり) | 比較的低い | 血栓リスクが低く、安全性が高いとされる |
3世代 | デソゲストレル、ゲストデン など | アンドロゲン作用が少なく、ニキビ改善に◎ | ◎(改善効果あり) | 第2世代より高め | マーベロン、ファボワールなどが該当 |
4世代 | ドロスピレノン(スピロノラクトン誘導体)など | 抗男性ホルモン作用・抗ミネラルコルチコイド作用あり | ◎(ニキビ・むくみに有効) | やや高め | ヤーズ、ヤーズフレックスなどが該当。PMDDやPMSにも使われる |
※使用するピルは医師の診察により選ばれます。自己判断での使用は避けましょう。
日本国内で処方される低用量ピルの多くは、第三世代以降のピルで、皮脂抑制作用のあるプロゲスチンを含んだものが一般的です。
代表的な処方例
- マーベロン(デソゲストレル+エチニルエストラジオール)
- トリキュラー(レボノルゲストレル+エチニルエストラジオール)
- ヤーズ、ヤーズフレックス(ドロスピレノン+エチニルエストラジオール)
→ PMSやニキビ目的で保険適用される場合もあり
※製品によってホルモン配合量や特性が異なるため、皮膚科や婦人科での相談が必須です。
正しい飲み方と服用サイクル

低用量ピルは、毎日同じ時間に1錠ずつ服用することで効果を発揮します。
基本の服用サイクル(28日タイプ)
- 21錠(ホルモン入り)+7錠(偽薬=プラセボ)
- 月経初日から服用を開始するのが一般的
- 28日間飲み続けたら、すぐに次のシートへ
飲み忘れは避妊効果やニキビ改善効果の低下につながるため注意
※ピルの種類によって服用スケジュールが異なる場合があるので、医師や薬剤師の指示に従いましょう。
低用量ピル使用時の注意点と副作用
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代表的な副作用
ピルに含まれるホルモンによって、体が一時的に変化を起こすことがあります。
特に初期(1〜3か月)は下記のような症状が見られることがあるので注意が必要です。
- 吐き気・頭痛・乳房の張り
- 不正出血(特に1シート目〜2シート目に起こりやすい)
- むくみ・体重の増加(主に水分保持)
- 気分の変動、眠気やだるさ
これらの副作用は一時的で、2〜3ヶ月以内に自然と落ち着くケースがほとんどです。
ただし、強い不調が続く場合は医師に相談を。
服用ができない人と注意が必要なケース
低用量ピルは基本的に安全ですが、以下のような人には向かない場合があります。
服用できない人
- 35歳以上で喫煙習慣がある方
- 高血圧・血栓症・心疾患の既往歴がある方
- エストロゲン依存性疾患(乳がんなど)の既往がある方
- 妊娠中・授乳中(医師の判断による)
注意が必要なケース
- 偏頭痛(特に前兆ありタイプ)
- 肥満(BMIが高い人は血栓リスクが高まることあり)
ピルをやめたらニキビは再発する?

ピルをやめると、体内のホルモン環境は元に戻っていきます。
その際、一時的にニキビが再発したり、生理周期が乱れることがあります。
中止のポイント
- 医師と相談したうえで中止を決める
- スキンケアや生活習慣の見直しを同時に行う
- 中止後は一時的に周期の乱れや肌のゆらぎが起きる可能性も
低用量ピルによるニキビ治療のメリット・デメリット
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ホルモンバランスの乱れが原因のニキビに効果が期待されており、皮膚科や婦人科でも治療の一環として取り入れられることが増えてる低用量ピル。
ニキビの改善だけでなく、生理にまつわる不調や肌の揺らぎのコントロールにもつながるなど、女性にとっては嬉しいメリットが多い一方で、副作用やリスクもゼロではありません。
自分に合った選択ができるよう、メリットとデメリットをしっかり理解しておきましょう。
メリット
- ホルモンを安定させて、根本的なニキビ改善が期待できる
- 生理不順・PMS・生理痛の軽減など女性特有の悩みに幅広くアプローチ
- 長期的に使用することで、ニキビの再発リスクを低減
- 正しく使えば避妊効果も得られる
デメリット
- 飲み忘れによる効果低下
- 一時的な副作用
- 血栓症リスクがわずかに上昇(特に喫煙者・高齢者)
- 自費診療になるケースも多く、継続的な費用がかかる
※保険適用になるのは特定の製品・診断条件のみ
よくある質問
ピルを飲むと太りますか?
体重の変化は人によりますが、実際の体脂肪増加ではなく、水分保持や食欲の変化によることが多いです。 気になる場合は医師に相談を。
副作用はいつまで続く?
多くの場合、2〜3ヶ月以内に自然におさまることが多いです。 長引く場合は医師に相談してください。
ピルをやめたらすぐにホルモンバランスは戻りますか?
数週間〜数ヶ月で自然に戻るとされています。 やめた直後は一時的にニキビや月経不順が起こることがあります。
飲み忘れたらどうすればいい?
気づいた時点ですぐに1錠服用し、その日の分も通常通り服用してください。 連続して忘れた場合は医師の指示を仰いでください。
まとめ|低用量ピルはホルモンニキビに有効な選択肢
低用量ピルは、ホルモンバランスの乱れによるニキビに対して、医学的に効果が認められた治療法です。
ただし、副作用やリスク管理の面からも、自己判断ではなく、必ず医師と相談のうえで使用を開始・継続することが大切です。
自分の体質に合った治療を見つけ、美肌を手に入れましょう。

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目白ホワイトクリニック
三浦 直美 医師
皮膚科 / 産婦人科(産科/婦人科)
クリニックについて
美容医療、内科、産婦人科、歯科を展開する目白のクリニック。オンライン診療も行っており、年間数万人の患者を診察している。
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